『私は奇しき足跡を信じる』大倉 信 師
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『私は奇しき足跡を信じる』大倉 信 師

2021年2月21日(日)


今から30年前、神奈川県の藤沢市からテントと寝袋を持って、自転車で九州、宮崎県まで行ったことがありました。京都までは一号線をひたすらはしりました。自転車といえども結構、はしれるもので一泊目が静岡市の阿倍川の橋の下だったことを覚えています。二泊目は確か愛知県の岡崎市あたりで、三日目には三重県に入りました。

野宿の旅には少々、事情がありまして、日が暮れる前に、なるべく静かに目立たず、雨露をしのいで朝を迎えることができる場所を探さなければなりません。かといってそのような場所が簡単に見つかるわけもなく、そうこうしているうちに三日目の夕刻、私は三重県の鈴鹿峠に来ていました。

その時、既に陽は傾きかけ、薄暗くなっていました。昼の山はいいのですが、暗くなればそこは闇の世界であり、決してわくわくするような場所ではありません。その日に身を横たえる場所も決まらず、これからあそこに入っていくのかと、山々を見上げた時の心細さと不安さを今でも覚えています・・・。






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